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幹細胞:霊長類とヒトでの心臓修復のための遺伝子操作した心筋同種移植片

Nature 639, 8054 doi: 10.1038/s41586-024-08463-0

心不全に陥った場合に心筋細胞を移植すれば、心筋機能が回復する可能性がある。ただ、不整脈や腫瘍の増殖のような許容できない副作用なしに治療効果を持続させるには、十分な量の心筋細胞を維持することなどの難問がある。今回我々は、誘導多能性幹(iPS)細胞に由来する心筋細胞とストローマ細胞から得た、心外膜の遺伝子操作心筋細胞(EHM)同種移植片が、慢性不全の心臓の筋肉を、制約となる副作用なしに構造的および機能的に回復させるという仮説について、アカゲザル(Macaca mulatta)を用いて検証を行った。この新たに開発したアカゲザルEHMモデルと医薬品適正製造基準に適合したこれまでに確立されたヒトEHM製剤の、in vitroとin vivo(ヌードラットモデル)での同等性を確認した後で、4000万~2億個の心筋細胞/ストローマ細胞から作製したEHM移植片が、長期的に(最長6カ月)保持されて、標的の心臓壁を用量依存的に強化することを、心筋梗塞による心不全を有するアカゲザルと心不全の見られないアカゲザルで実証した。心不全モデルでは、EHM同種移植片によって標的である心臓壁の収縮性と駆出率(局所的および全体的な心臓補助の評価基準となる)が上昇するという証拠が得られた。病理組織学的解析とガドリニウムを使用した灌流磁気共鳴画像化法での解析によって、細胞の保持と機能を備えた血管の新生が確かめられ、不整脈や腫瘍増殖は認められなかった。得られた実現可能性、安全性、有効性のデータによって、組織工学による心臓修復に関するヒトで初めての臨床試験の認可に向けて、重要な基盤が整った。我々の臨床データによって、進行した心不全患者でEHM移植によって筋肉が回復することが確証された。

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