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神経科学:雄の攻撃を経験依存的に調節するドーパミン

Nature 639, 8054 doi: 10.1038/s41586-024-08459-w

攻撃の調節におけるドーパミンの役割は、多くの研究で支持されているが、その正確な神経機構は未解明である。今回我々は、腹側被蓋野(VTA)のドーパミン作動性細胞が、雄マウスの攻撃を経験依存的な様式で両方向性に調節していることを示す。VTAのドーパミン作動性細胞は、攻撃経験の少ない個体では強い影響を及ぼすが、攻撃経験の豊富な個体では影響を及ぼさなくなった。また、VTAでドーパミン合成を阻害すると、攻撃未経験マウスでの攻撃の発生は阻止されたが、攻撃経験豊富な個体の攻撃に変化は見られなかった。VTAのドーパミンは、攻撃の制御に関わる領域として知られる背外側中隔(dLS)を介して攻撃を調節する。攻撃経験の少ない個体では、ドーパミンは局所的な抑制を減弱することで、海馬からdLSへの情報の流れを可能にすることが分かった。一方、攻撃経験豊富な個体では、dLSの局所的抑制は自然と弱まっていて、ドーパミンがdLS細胞を調節する余地が減っていた。まとめると今回の結果は、成体雄マウスの攻撃の出現におけるドーパミンの巧妙な役割を明らかにしている。

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