Article
気候科学:アマゾンの森林伐採の降水量への影響は季節で逆転する
Nature 639, 8053 doi: 10.1038/s41586-024-08570-y
熱帯の森林伐採が降水量の大きな減少をもたらすことが、一連の観測に基づくデータセットを用いて見いだされている。しかしながら、人工衛星に基づいた時空間統計解析に限界があるため、再形成されたメソスケール大気循環の役割と、異なる規模での地域的な降水の再循環の役割の理解が妨げられている。これらの効果は、森林伐採が引き起こす蒸発散量(ET)の減少に支配される地域的な効果とは明瞭に異なる、非局所的なものと考えられている。今回我々は、雨季と乾季におけるアマゾンの森林伐採に対する降水量の応答が逆であることを示す。雨季の間は、森林伐採されたグリッドでは降水量の顕著な増加(1パーセントポイントの森林減少につき毎月0.96 mm)が見られ、これは主として強化されたメソスケール大気循環(すなわち非局所的効果)に原因を帰すことができる。こうした非局所的増加は、森林伐採されたグリッドからの距離とともに弱くなり、60 kmを超える緩衝帯では顕著な降水量の減少につながった。逆に、乾季の間は、森林伐採されたグリッドと全ての解析緩衝帯にわたって降水量が減少し、ETの減少による局所的効果が支配的だった。今回の知見は、異なる季節や規模での森林伐採–降水量応答の駆動における局所的効果と非局所的効果の複雑なバランスを浮き彫りにするとともに、アマゾン地域における急速で広範な森林の喪失への対処が緊急に必要であることを強調している。

