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エネルギー科学:マルチセル構成によるキロワット規模の弾性熱量冷却の実現
Nature 639, 8053 doi: 10.1038/s41586-024-08549-9
形状記憶合金(SMA)を用いた弾性熱量冷却は、従来の蒸気圧縮冷凍に代わる環境に優しくエネルギー効率の高い技術として、大きな関心を集めている。しかし、既存の装置の冷却能力が限られている(300 W以下)ため、この技術の商業化が阻まれている。今回我々は、マルチセル構成と呼ばれる「SMA直列–流体並列(SMAs in series–fluid in parallel)」構成で圧縮性チューブ状NiTiを用いて、キロワット規模の弾性熱量冷却装置を構築した。高効率熱伝導剤としてグラフェンナノ流体を補完的に用いて、高周波数動作(3.5 Hz)で、大きな表面積/体積比の薄肉チューブ状NiTiによって12.3 W g−1という大きな比冷却能力が達成された。さらに、このマルチセル構成によって、低いシステム流体圧力を維持しながら、緊密な組み立てに十分な質量の弾性熱量材料が確保された。今回の装置は、最初の50万サイクル中にゼロ温度リフトで流体側において1284 Wの冷却能力を達成しており、脱炭素化された未来に向けたこの環境に優しい冷却技術の可能性を示している。

