構造生物学:UM171とKBTBD4がんネオモルフ変異の収斂性機構
Nature 639, 8053 doi: 10.1038/s41586-024-08533-3
がん変異は新しい形態のタンパク質間相互作用を作り出し、異常な機能を駆動することがある。KBTBD4は、CULLIN3–RING E3ユビキチンリガーゼ複合体の基質受容体であり、小児で最もよく見られる胎児性脳腫瘍である髄芽腫で反復変異が見られる。これらの変異は、KBTBD4に機能獲得をもたらし、転写コリプレッサーCoRESTの異常な分解を引き起こすが、その機構はまだ解明されていない。今回我々は、KBTBD4の変異は、HDAC1/2を変異型基質受容体の直接の標的として結合することで、CoRESTの分解を促進することを明らかにした。我々はDMS(deep mutational scanning)法を用いてKBTBD4がんホットスポットの変異全体像を示し、挿入と置換が機能獲得を促進する明確な選択性と、ホットスポット相互作用に関わる重要な残基を明らかにする。LSD1–HDAC1–CoRESTに結合する2つの異なるKBTBD4のがん変異のクライオ電子顕微鏡解析からは、KBTBD4ホモ二量体が2つのKELCHリピートβプロペラドメインを介してHDAC1に非対称に結合することが明らかになった。HDAC1とKBTBD4 βプロペラの1つとの接触面は、HDAC1活性部位ポケットにかさばる側鎖を挿入する髄芽腫変異によって安定化される。構造解析と変異解析により、このホットスポットE3–ネオ基質の接触面を化学的に調節し得る仕組みについての情報が得られた。我々はまず、機能獲得型E3変異と分子接着剤分解剤UM171の間で収斂する形状相補性に基づいた機構を明らかにした。次に、HDAC1/2阻害剤は変異型KBTBD4–HDAC1接触面を阻害し、KBTBD4変異型髄芽腫細胞の増殖を抑制できることを実証した。まとめると、本研究はがん変異が駆動する新しい形態のタンパク質間の相互作用の構造的および機構的な基盤を明らかにしている。

