構造生物学:UM171は非対称なCRL3–HDAC1/2集合体を結び付けてCoRESTコリプレッサーを分解する
Nature 639, 8053 doi: 10.1038/s41586-024-08532-4
UM171は、ヒト造血幹細胞のex vivoでの自己複製の強力なアゴニストである。UM171は、CUL3–RING E3ユビキチンリガーゼ(CRL3)複合体の基質受容体であるKBTBD4を利用することにより、LSD1–CoRESTコリプレッサー複合体の分解を促進し、造血幹細胞の減少を制限する。しかし、UM171の直接の標的や作用機構はまだ解明されていない。今回我々は、UM171が分子接着剤として働いて、KBTBD4とHDAC1/2の間に高親和性の相互作用を生じさせ、コリプレッサーの分解を引き起こすことを明らかにした。プロテオミクス研究と化学阻害剤による研究によって、UM171の主要な標的がHDAC1/2であることが突き止められた。UM171とLSD1–HDAC1–CoREST複合体に結合したKBTBD4二量体のクライオ電子顕微鏡解析によって、1個のUM171分子がKELCH反復配列を持つ1対のプロペラドメインにHDAC1の触媒ドメインを引き寄せて作る、非対称な集合体が明らかになった。KBTBD4の1つのプロペラが、HDAC1の活性部位の縁を部分的に覆い隠し、これがUM171によってE3とネオ基質の界面の拡大に利用される。もう1つのプロペラドメインは、別の界面を介して協調的にHDAC1の結合を強化する。CoREST–HDAC1/2–KBTBD4の全体的な相互作用は、内在性の補因子イノシトール六リン酸(第二の分子接着剤として働く)によってさらに強化されている。4成分複合体の相互作用界面の機能的重要性が、KBTBD4とHDAC1の塩基エディタースキャンによって実証された。UM171の直接の標的と作用機構の詳細を明らかにすることにより、二量体であるCRL3 E3がもたらす協同作用に小型の分子分解因子がどのように影響するかが明らかになった。

