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免疫学:抗体の予防投与はアカゲザルにおけるSIVの不顕性感染を隠す可能性がある

Nature 639, 8053 doi: 10.1038/s41586-024-08500-y

広域中和抗体(bNAb)により、ヒトでヒト免疫不全ウイルス(HIV-1)感染を予防できる可能性が示されている。しかし、感染を予防するのに必要な抗体濃度についてのデータは限られている。bNAb予防投与の臨床試験では部分的な有効性が実証されているが、その試料採取頻度では通常、感染事象の正確なタイミングおよびその時の抗体レベルを把握することはできない。今回我々は、アカゲザル(Macaca mulatta)のサル免疫不全ウイルス(SIV)感染実験により、強力なbNAbは急性ウイルス血症の発現を遅らせることができるが、bNAbレベルが高いまま不顕性感染が起こることを示す。部分的あるいは完全な中和能を持つbNAbを投与したサルのSIV連続チャレンジでは、血清中のbNAb濃度が現在認められている保護的なレベルをはるかに上回る条件でも、「ウイルスブリップ」(低濃度で一時的な血漿ウイルス血症)が頻繁に認められることが明らかになった。我々は、このようなブリップを引き起こす感染の正確なタイミングを理解するため、bNAb投与後に、遺伝的にバーコード化したSIVによる連続チャレンジを行ったサルで、血漿のウイルス塩基配列解読を行った。これらの解析により、強力なbNAb予防投与を受けたほとんどの個体で、不顕性感染が起こることが明らかになった。このような不顕性感染は、完全なウイルス血症のブレイクスルー感染を防ぐのに必要なレベルよりも抗体濃度が2倍から400倍以上高い条件下で起きた。この研究は、免疫学的予防投与は不顕性感染を隠す可能性があることを示しており、予防的なHIV-1 bNAbの臨床試験の解釈に影響を与え得る。

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