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生態学:ユーラシアと北米の草原の対照的な乾燥感受性
Nature 639, 8053 doi: 10.1038/s41586-024-08478-7
極端な干ばつは、一般に草原生態系の生産力を低下させ、自然が人間にもたらす恩恵に悪影響を及ぼす。こうした悪影響が、草原の種類によってどの程度異なるのか、また、複数年の極端な干ばつに応答して経時的にどれほど変化するのかは、いまだ明らかにされていない。本研究で我々は、4年にわたって生育期の干ばつ(約66%の降雨量減少)を模擬した協調的な分散型実験を用い、草原が支配的な北半球最大の2地域であるユーラシアと北米のそれぞれにおける、広範な降水量勾配をまたぐ6つの代表的な草原に関して、これらの草原内および草原間で乾燥感受性を比較した。その結果、ユーラシアの草原では、干ばつに伴い地上部の植物生産が大幅に減少し、その影響が時間の経過とともに蓄積したが、北米の草原では、植物生産の減少はさほど深刻ではなく、時間の経過とともに落ち着いていたことが分かった。干ばつが種の豊富さに及ぼす影響は、ユーラシアでは時間とともに正から負へと変化したが、北米では負から正へと変化した。これらの草原での植物生産の異なる応答は、ユーラシアの草原では優占度のより低い植物種(従属種)の減少を伴っていたのに対し、北米の草原ではそうした種の増加を伴っていた。今回の知見は、極端な干ばつに対する草原の生産力の感受性がユーラシアでは北米よりも高いこと(それぞれ減少率は43.6%および25.2%)、また、極端な干ばつが草原の生産力に及ぼす影響の決定において従属種が重要な役割を果たしていることを明らかにしている。

