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神経科学:線条体のドーパミンとセロトニンによる学習強化の拮抗的制御
Nature 639, 8053 doi: 10.1038/s41586-024-08412-x
神経修飾物質のドーパミン(DA)とセロトニン(5-ヒドロキシトリプタミン、5HT)は、連合学習を強力に調節している。これらの神経修飾系は、活動も接続性も似ていることから、DAと5HTがどのように相互作用して新規の連合の形成を駆動するのかについて、対立する複数のモデルが提唱されている。しかし、これまで単一の個体内で、複数の神経修飾系を調べたり操作したりすることができなかったため、これらの仮説が直接検証されたことはなかった。今回我々は、脳のDAニューロンと5HTニューロンに同時に遺伝的アクセスが可能なマウスモデルを樹立した。順行性追跡により、側坐核(NAc)が、収束したDAと5HTの信号を統合するホットスポットである可能性が示された。DAと5HTの軸索活動を同時記録し、これを遺伝的にコードしたDAと5HTセンサーの記録と組み合わせることで、報酬が、NAcでDA信号伝達を増強させ、5HT信号伝達を減弱させることが分かった。食餌性条件付け課題中に光遺伝学的手法でDAまたは5HTの報酬応答を低下させると、それぞれ軽度の行動異常を生じたが、両信号を同時に低下させると、学習とその強化が著しく障害された。また、DAと5HTの報酬応答を光遺伝学的に同時に再現させるだけで、新規連合の獲得を駆動させるのに十分であり、それぞれを単独に操作した場合に比べて強力な強化効果が得られた。総合すると今回の結果は、線条体のDA信号と5HT信号が、強化を拮抗的に調節して学習を成形することを実証している。

