Article

動物行動学:カメ類における磁気地図の手掛かりの学習と磁気受容の2つの機構

Nature 638, 8052 doi: 10.1038/s41586-024-08554-y

移動性動物が、地球の磁場を、方向を決めるコンパスとして、また、地理的位置を決める地図として航路決定に利用していることを示す証拠が増えてきている。磁気地図を使って航路決定するには、動物は目的地の磁気座標を学習する必要があると長く提案されてきたが、動物が地理的領域の磁気的特徴を学習できるというこの説の要となる仮定は、我々の知る限りまだ調べられていない。今回我々は、航路決定を行う象徴的な種であるアカウミガメ(Caretta caretta)が、そうした情報を学習できることを報告する。アカウミガメの幼若個体は、海洋の特定の位置に存在する磁場を再現した環境で繰り返し餌を与えられると、餌に遭遇した磁場と他の場所に存在する磁場を識別することを学んだ。この能力は、摂餌場所の忠実度の根底にある可能性がある。この新しい磁気地図アッセイによる条件応答は、ラジカル対に基づく化学的な磁気受容を阻害すると予想される処理である高周波振動磁場の影響を受けなかったことから、アカウミガメの磁気地図感覚はこの機構に依存していないことが示唆される。対照的に、磁気コンパスの使用を必要とする定位行動は、高周波振動磁場によって阻害された。これらの知見は、ウミガメには磁気地図と磁気コンパスの基盤として2つの異なる磁気受容機構が存在することを示す証拠を提示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度