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気候科学:極端気候の下でも継続する大西洋の南北方向の鉛直循環

Nature 638, 8052 doi: 10.1038/s41586-024-08544-0

大西洋における北向きの熱輸送に不可欠な大西洋の南北方向の鉛直循環(AMOC)は、地球温暖化により弱化し、全球の気候に重大な影響を及ぼすと予想されている。しかしながら、AMOC弱化の程度については、気候モデルによって大きなばらつきがありよく分かっておらず、崩壊が差し迫っていることを示唆する統計的指標も存在する。今回我々は、AMOCは34の気候モデルにわたり、極端な温室効果ガスと北大西洋の淡水強制力に対して復元力があることを示す。全ての場合において、南大洋の持続する風によって駆動される南大洋の湧昇流が、弱化したAMOCを持続させ、その完全な崩壊を妨げていた。南大洋の湧昇流は大西洋あるいは太平洋における下降流と釣り合う必要があるため、AMOCは相殺する太平洋の南北方向の鉛直循環(PMOC)が発達する場合のみ崩壊する。驚くべきことに、PMOCはほとんど全てのモデルで現れるが、南大洋の湧昇流の全てと釣り合うには弱過ぎ、これは、AMOCの崩壊は今世紀中には起こりそうもないことを示唆している。これらの知見は、AMOCを安定化させる機構と、過去と将来のAMOCの変動への影響、従って生態系や海洋生物地球化学への影響を明らかにしている。これらはまた、南大洋とインド–太平洋循環のより良い理解と推測が、将来のAMOCの変動を正確に予測するために緊急に必要であることを示唆している。

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