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材料化学:熱的Ca2+/Mg2+交換反応によるCO2除去材料の合成
Nature 638, 8052 doi: 10.1038/s41586-024-08499-2
現行の炭素管理戦略の大半では、2100年までに、大気からの数百ギガトン(Gt)スケールでのCO2除去(CDR)が必要である。Mgが豊富なケイ酸塩鉱物は、105 Gt以上のCO2を除去して、安定で無害な炭酸塩鉱物または溶解した重炭酸イオンとして隔離できる。しかし、こうした鉱物の環境条件下での反応速度は、実用にははるかに遅過ぎる。今回我々は、CaCO3とCaSO4が、種々のMg豊富なケイ酸塩(例えば、カンラン石、蛇紋石、オージャイト)と熱化学的条件下で定量的に反応してCa2SiO4とMgOを形成することを示す。湿潤条件下で外気にさらすと、Ca2SiO4はCaCO3とケイ酸に変換され、MgOは数週間以内に部分的に炭酸Mgに変換されたが、投入したケイ酸Mgは6カ月以上にわたり反応性を示さなかった。これとは別に、Ca2SiO4とMgOは、周囲温度、1気圧CO2下で、数時間以内に、CaCO3とMg(HCO3)2まで完全に炭酸塩化された。CaCO3をCa源として用いるこの化学反応によって、生成したCa2SiO4/MgO材料を用いて空気や土壌からCO2を除去しCO2プロセスの排出物を隔離するというCDRプロセスが可能になる。エネルギー必要量の解析結果から、このプロセスでCO2を1トン除去するのに必要なのは1 MWh未満であることが示された。これは、主要な直接空気回収技術を用いたCO2回収にかかるエネルギーの約半分である。今回報告した化学反応は、安全かつ永続的なCDRのための莫大な資源としてMg豊富なケイ酸塩を解き放つ可能性がある。

