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がんゲノミクス:体細胞における変異原性DNA損傷の長期的な持続
Nature 638, 8051 doi: 10.1038/s41586-024-08423-8
DNAは絶え間なく損傷を受けており、それぞれの細胞にはいかなる時でも数千のDNA損傷が存在している。DNA修復は効率的で、既知のクラスの損傷の大半は半減期が数分から数時間だが、DNA損傷がそれより長い時間にわたってどの程度持続し得るかは不明である。本研究で我々は、89人のドナーから作成した高分解能の系統樹を用いて、血液、肝臓、気管支上皮の正常なヒト幹細胞で、複数の細胞周期にわたって持続した818のDNA損傷から生じた変異を特定した。持続性のDNA損傷は、タバコや化学療法の曝露歴があるドナーでは、特徴的な変異シグネチャーを伴って発生率が上昇しており、これらが外因性の突然変異誘発物質によって生じ得ることが示唆された。造血幹細胞では、持続的なDNA損傷はおそらく内因性の誘発物質に起因し、特徴的な変異シグネチャーSBS19を生じていて、in uteroを含め生涯を通じて着実に起こり、平均で2.2年持続し、損傷の15〜25%は少なくとも3年間持続した。我々は、造血幹細胞にはどの時点においてもこのような損傷が平均で約8つあり、その半分は細胞周期ごとに変異を生じると推定する。全体として、血液細胞では変異の16%がSBS19に帰属でき、血液がんでも同程度の割合のドライバー変異がこのシグネチャーを示した。これらのデータは、内因性および外因性の突然変異誘発物質によって生じるDNA損傷のファミリーの存在を明らかにしており、これらの損傷はゲノム当たりの数は少ないが、数カ月から数年間持続し、体細胞の変異負荷のかなりの割合を生み出し得ることを示している。

