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神経科学:海馬の空間的足場から生じるエピソード記憶と連想記憶

Nature 638, 8051 doi: 10.1038/s41586-024-08392-y

脳の海馬回路は、ナビゲーションのための空間地図の構築と連続したエピソード記憶の保存という、2つの異なる認知機能を可能にしている。海馬内での空間表現のモデル化については進展が見られるが、海馬がエピソード記憶で果たす役割については、まだ良いモデルがない。本論文で我々は、大容量の一般的連想記憶、空間記憶、エピソード記憶を実行する、新皮質–嗅内皮質–海馬ネットワークモデルを提唱する。今回我々が「Vector-HaSH(vector hippocampal scaffolded heteroassociative memory)」と名付けた回路は、誤差を修正する安定状態を生み出すダイナミクスから保存内容を要素分解することで、既存の記憶モデルにあった「記憶の崖」を回避し、貯蔵事項の数と想起の詳細との間の巧妙なトレードオフを示す。グリッド細胞の状態に基づいた、事前に構造化された内部の足場は、空間記憶ではないエピソード記憶の構築にも不可欠で、これが、連鎖の問題を低次元の移動の1つに抽象化することで、大容量の連続記憶の形成を可能にする。Vector-HaSHは、空間マッピングと文脈に基づいた表現に関する複数の海馬実験の結果を再現でき、記憶アスリートが使う「記憶の宮殿」の回路モデルを提供する。従って本研究は、海馬の空間マッピングと連想記憶やエピソード記憶の役割についての、統一的な理解を与えるものである。

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