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天文学:ケンタウルス座銀河団のコアにおけるガスのバルク運動

Nature 638, 8050 doi: 10.1038/s41586-024-08561-z

銀河団は、銀河団ガス(ICM)と呼ばれる大量の高温電離ガスを含んでいる。緩和した銀河団のコアでは、ICMの放射冷却時間は銀河団の年齢よりも短い。しかし、冷却に伴う輝線放射が観測されていないことから、冷却を相殺する加熱機構の存在が示唆されており、活動銀河核(AGN)からのフィードバックが最も可能性の高い熱源とされている。また、乱流や、銀河団の重力ポテンシャル井戸におけるコアの振動(「スロッシング」)に伴うガスのバルク運動も、外側からコアに熱を運搬する機構として提案されている。本論文で我々は、X線分光撮像衛星(XRISM)によるケンタウルス座銀河団のX線分光観測の結果について報告する。我々は、銀河団中心部の約30 kpc以内で、中心部の銀河に対して130〜310 km s−1の速さを持つ、視線方向に沿った高温ガス流の存在を明らかにした。これは、コアのスロッシングに対応するガスのバルク運動を示している。このバルク運動は、中心部で冷却されたガスの過剰な集積を妨げる可能性がある一方、AGNによって中心部に注入された熱を分配しつつ、コア周辺のICMから熱エネルギーを取り込む可能性もある。ガスの速度分散は、AGNのおよそ10 kpc以内となるコアの部分でさえ、わずか≲120 km s−1であることが明らかになった。これは、AGNが周囲のICMの運動に及ぼす影響が、この銀河団では限られていることを示唆している。

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