生物地球化学:米国の農業を風化促進法による炭素除去へと転換させる
Nature 638, 8050 doi: 10.1038/s41586-024-08429-2
農業における風化促進(EW)は、粉砕されたケイ酸塩岩石を用いて二酸化炭素除去(CDR)を促進する。これが広く農地で適用されれば、2050年までにネットゼロ排出の達成に役立つ可能性がある。今回我々は、資源供給によって制約された米国の州別の詳細な炭素循環分析により、農地でのEWの運用が、2050年までに年間0.16~0.30 GtのCO2を隔離し、これが2070年までには年間0.25~0.49 Gtに増加する可能性があることを示す。河川と海洋の地球化学的評価によって、EWによる土壌からの溶存生成物が効果的に輸送され、世代を超えた時間スケールでCDRを可能にすることが示唆された。我々の分析結果はさらに、EWが農業地域における地表オゾンと二次エアロゾル濃度を減少させるのに一時的に役立つ可能性があることも示している。地理空間的に図示されたCDRのコストは、米国全域での不均一性を示しており、これは玄武岩供給地域から農地までの距離、EW運用の時期、CDR速度の変化の組み合わせを反映している。CDRのコストは、最初の20年間で最も高く、その後2050年までにはCO2 1トン当たり100〜150米ドルに減少し、これには国内の総CDRに最も寄与する州も含まれる。EWは排出削減の代替策にはなり得ないが、我々の評価は、EWが、米国の2050年ネットゼロ目標達成に役立つ、これまで見過ごされてきた現実的革新策となるという主張を補強している。米国内におけるEWに対する国民の認識と、EW運用の公平性への影響については、さらに調査が必要であり、必要な規模でEW産業を動員するには数十年かかる可能性があることにも注意が必要である。

