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神経科学:陽イオン性ペプチドはエンドフィリン介在エンドサイトーシスを通じて記憶消去を引き起こす
Nature 638, 8050 doi: 10.1038/s41586-024-08413-w
ゼータ阻害ペプチド(ZIP)をマウスに投与すると、記憶の維持と長期増強(LTP)が障害される。しかし、その標的と推定されるプロテインキナーゼPKMζを欠失したマウスは、学習と記憶だけでなくLTPも正常であることから、ZIPの作用機構は不明である。今回我々は、ZIPはその陽電荷のみを介して細胞表面のAMPA受容体を除去することにより、LTPを阻害することを示す。この作用は、エンドフィリンA2を介したエンドサイトーシスを必要とし、マクロピノサイトーシスを抑える薬剤で完全に遮断された。ZIPや他の陽イオン性ペプチドは、増強されたシナプスで新規に膜に挿入されたAMPA受容体ナノクラスターを除去することから、これらのペプチドがシナプスの基本機能に変化を及ぼすことなく記憶を消去する機構が明らかになった。陽イオン性ペプチド類は、in vivoで投与した場合に、局所スケールおよび脳規模スケールで記憶を調整した。これらの機構は、心的外傷性脳傷害モデルでの記憶消失を防ぐのに利用できる可能性がある。今回の知見により、記憶の維持と消去に関与するこれまで知られていなかったシナプス機構が明らかになった。

