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がん:グリオーマ形成は神経堤様細胞により調整される損傷応答を模倣する

Nature 638, 8050 doi: 10.1038/s41586-024-08356-2

グリオブラストーマ(神経膠芽腫)は治療法のない悪性脳腫瘍である。臨床診断の時点で、これらの腫瘍にはある程度の遺伝的および細胞的な不均一性が見られ、グリオーマ(神経膠腫)形成の開始と促進を行う機構についての手掛かりはほとんど得られていない。本研究で我々は、グリオーマ形成の初期段階を調べるために、腫瘍マウスモデルで、条件付き遺伝子欠失と系譜追跡を磁気共鳴画像の連続的撮像と組み合わせて用い、腫瘍形成開始時点からの詳細な追跡を行った。我々は、最初の異常が視認できる前、病変が最初に視認可能になった時点、そしてその後の複数の腫瘍増殖段階にわたる複数の段階で、標識細胞と非標識細胞を単離し、各段階の細胞について単一細胞プロファイリングを行った。その結果、神経堤様の遺伝子発現シグネチャーを示す悪性細胞状態が見つかり、これは初期段階では非常に多く存在するが、腫瘍が増殖する後期段階では相対的に減少することが分かった。コピー数変化の存在に基づくゲノム解析では、これらの神経堤様状態が、腫瘍増殖とともに進化する不均一なクローン階層の一部として存在することが示唆された。正常なマウス脳の創傷で起こる損傷応答を調べたところ、損傷後に出現して、時間経過に伴い消失する同様のシグネチャーを持つ細胞が見つかった。これは、腫瘍形成の間に損傷応答プログラムの活性化が起こることを示唆している。実際、我々の実験によって、脳前駆細胞でがん遺伝子が活性化された後の脳で開始する非悪性の損傷様微小環境が明らかになった。まとめると我々の知見は、グリオブラストーマの初期段階に関する手掛かりをもたらすとともに、初期の腫瘍形成と結び付けられる独特な細胞状態と損傷応答プログラムを明らかにしている。これらの知見は、グリオブラストーマ治療に意味を持つだけでなく、疾患の早期診断と予防に対しての新たな可能性を提起している。

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