天文学:JWSTによる主小惑星帯の数十メートルサイズの天体の観測と隕石起源に関する見解
Nature 638, 8049 doi: 10.1038/s41586-024-08480-z
小惑星の発見は、地球への衝突、例えば、より頻繁に起こる数十メートルサイズの衝突天体によるメガトン級爆発を防ぐことを目的とした惑星防衛の取り組みにとって不可欠である。大きい小惑星(100 km以上)はその形成以来、主小惑星帯(メインベルト)に留まっているものの、小さい小惑星は一般的に地球近傍天体(NEO)の集団に移動する。小惑星のサイズ頻度分布(SFD)は、NEOや、隕石試料の地球への輸送に関する我々の理解に情報を与えるものであるが、直接観測による制約がないため、モデルによってかなりばらつきがある。今回我々は、小惑星の発光ピークをカバーするジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の赤外線機能と、合成追跡技術によって可能になった、主小惑星帯でこれまで観測された中で最も小さい小惑星(約10 m以上)の138例の検出結果を報告する。観測された軌道弧はいずれも短いものの、我々は既知の小惑星を代理指標として用いてこれらの天体の距離と位相角を絞り込むことで、放射測定技術によるサイズの推定を可能にした。これらの小惑星のSFDは100 m辺りで断絶があり、そのバイアス補正後の累積スロープは、直径が約100 mより小さい場合はq = −2.66 ± 0.60、大きい場合はq = −0.97 ± 0.14であった。この分布は、衝突カスケードによって駆動された集団であることを示唆している。これらの小惑星は、ここで考慮された指向の位置関係に従って、いくつかの小惑星族、おそらくはニサ(Nysa)族、ポラナ(Polana)族、マッサリア(Massalia)族に属する。JWSTは、さらなる長時間の赤外線観測を通して何千もの数十メートルサイズの小惑星を全天にわたって偶然にも検出できる態勢にあり、個々の小惑星族と隕石の起源域を「in situで」観測している。

