Perspective

神経学:「2つの目で見る」ことや他の先住民族的な視点を神経科学に

Nature 638, 8049 doi: 10.1038/s41586-024-08437-2

神経科学の生物医学的手法に、先住民族の視点や知識を取り入れることで、ヒトの脳と心の理解が大きく広がる可能性がある。カナダのミクマク族長老たちの文献を参考にして、この取り入れ方を「2つの目で見る(Two-Eyed Seeing、ミクマク語でEtuaptmumk)」と呼ぶ。このPerspectiveでは、2つの目で見ることや他の複眼的な視点が、どのように脳の健康に関する研究や臨床診療の発展に広い知識と謙譲をもたらし得るかを論じる。この将来を見据えた考察では、従来型の学術的伝統と非学術的伝統の両者に加え、方法論、生活、健康、文化、言語、歴史に関する先住民の学者の研究成果を盛り込む。また、困難な問題を説明し解決策を考えるため、アライシップ、謙譲、普遍主義に向けた幅広い戦略を示すとともに、それらの戦略を障害、自殺、移住、環境という4つの具体例に当てはめる。そして、コミュニケーションと社会参加についての新たな思考という文脈の中で、この2つの目で見る力を推し進める。2つの目で見ること自体は1つの手段にすぎないが、神経科学がますます地球規模で包摂的で倫理志向的になりつつある今、還元論と全体論の2つの目を通じて、脳とメンタルヘルスの世界を普遍的に見なくてはならない。

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