構造生物学:非リボソームペプチドの合成における縮合の構造と機構
Nature 638, 8049 doi: 10.1038/s41586-024-08417-6
非リボソームペプチド合成酵素(NRPS)は、初期の近代医薬(ペニシリン、バシトラシン)から現在のブロックバスター薬(キュビシン、バンコマイシン)、そして新規に承認された治療薬(レザファンジン)まで、臨床的に重要な多くの天然産物の生合成を担う巨大酵素である。これらの生合成における重要な化学反応段階に、アミノアシル基を持つ成分間でのアミド結合形成があり、これは縮合(C)ドメインにより触媒される。この反応の機構については多くの論争が続いている。NRPS縮合は特徴を完全に明らかにするのが難しい。それは、この反応がNRPS合成サイクル中の連続する多数の反応のうちの1つであることに加えて、カノニカルな基質はそれぞれチオエステルとして動的なcarrierドメインに一時的に結合していて、これらは一緒に1つの非常に柔軟なタンパク質中にCドメインとして含まれることが多いからである。今回我々は、2つの部分からなる2モジュール型のNRPSタンパク質を作製した。これは、2つの部分が適切な非加水分解性の基質類似体により修飾されていて、2つの部分がタンパク質により連結されている。我々は基質が結合した状態と生成物が結合した状態の構造を解いた。それらの構造から、重要な化学反応段階での求核攻撃を準備する巨大酵素の正確な配向が示され、この反応を精確に調べるための生化学分析と量子力学シミュレーションが可能となった。これらのデータは、NRPSのCドメインが協調的な反応機構を用いており、それによって活性部位のヒスチジンが一般的な塩基としてではなく、アンモニウムを作るための重要な安定化を行う水素結合受容体として機能することを示唆している。

