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スピントロニクス:磁気相転移における縦スピンポンピングの兆候
Nature 638, 8049 doi: 10.1038/s41586-024-08367-z
ポテンシャルエネルギー、密度、温度の勾配がない場合、ポンピングによって発生する粒子流は、非自明なダイナミクスと関係がある。代表例は、量子ホール効果や量子異常ホール効果に関係する電荷ポンピングである。電荷ポンピングのスピン版であるスピンポンピングは、磁化ダイナミクスによるスピン流の放出を指す。これまでの研究は、古典力学に起因する横スピンポンピングだけに注目していた。これは、一定の大きさの歳差原子モーメントに相当する。しかし、原子モーメントの大きさの経時変化に相当する量子ゆらぎに起因する縦スピンポンピングは、依然として調べられていない。今回我々は、鉄–ロジウム(FeRh)を用いて縦スピンポンピングを実験的に調べた。この材料は、反強磁性体から強磁性体への一次相転移を起こし、その間に原子モーメントの大きさが時間とともに変化する。我々は、FeRh/白金(Pt)2層系に電流を注入することによって、数ナノ秒でFeRhの高速相転移を誘起し、Pt層にスピン流を放出させた。観測された逆スピンホール信号は横スピンポンピングの場合に予想されるものより約1桁大きく、量子ゆらぎによって駆動された縦スピンポンピングの存在を示唆するとともに、それが古典的な横スピンポンピングより優位であることを示している。今回の結果は、スピンポンピングにおける量子ゆらぎの重要性を浮き彫りにしており、レーザー誘起超高速消磁、軌道ポンピング、量子スピン移行など、さまざまな角運動量ダイナミクスへの広い適用性を有する。

