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神経科学:健康に老化したマウスにおける脳規模の細胞タイプ特異的なトランスクリプトームシグネチャー

Nature 638, 8049 doi: 10.1038/s41586-024-08350-8

生物学的な老化は、分子・細胞機能のさまざまな側面全般にわたる恒常性の緩やかな喪失として定義できる。哺乳類の脳を構成する細胞は数千タイプに上り、それらは老化に対する感受性やレジリアンスが異なっている可能性がある。今回我々は、雌雄の若齢マウスと老齢マウスの前脳、中脳、後脳にまたがる領域の脳細胞について、約120万の高品質の単一細胞トランスクリプトームを含む、単一細胞RNA塩基配列解読の包括的なデータセットを報告する。全ての細胞を高分解能でクラスター化したところ、847の細胞クラスターに分けられ、少なくとも14の月齢に偏ったクラスターが見つかり、その大部分はグリアタイプだった。より広い細胞サブクラスとスーパータイプのレベルでは、月齢関連遺伝子の発現シグネチャーが見つかり、多くのニューロンタイプおよび非ニューロンタイプで、差次的に発現する2449の固有の遺伝子(age-DE遺伝子)の一覧が得られた。ほとんどのage-DE遺伝子は特定の細胞タイプに特有だが、細胞タイプ全体で老化に伴う共通のシグネチャーが観察され、これには多くのニューロンタイプや主要なアストロサイトタイプおよび成熟したオリゴデンドロサイトにおけるニューロンの構造や機能に関連する遺伝子の発現低下や、免疫細胞タイプと一部の血管細胞タイプにおける免疫機能、抗原提示、炎症、細胞運動性に関連する遺伝子の発現上昇が含まれていた。さらに、老化に対して最も高い感受性を示すいくつかの細胞タイプが、視床下部の第三脳室周辺に集中していることが観察され、それらにはエネルギー恒常性にカノニカルに関連する遺伝子を発現する、弓状核、背内側核、傍室核のタニサイト、上衣細胞、特定のニューロンタイプが含まれていた。これらのタイプの多くでは、ニューロン機能の低下と免疫応答の上昇の両方が見られた。これらの知見は、視床下部の第三脳室がマウス脳の老化のハブである可能性を示唆している。まとめると本研究は、正常な老化と関連した脳内の細胞タイプ特異的なトランスクリプトーム変化の動的全体像を体系的に示しており、老化による機能的変化や、老化と疾患の相互作用を研究するための基礎として役立つだろう。

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