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発達障害:mTORシグナル伝達の調節異常に収斂する滑脳症の発症機構
Nature 638, 8049 doi: 10.1038/s41586-024-08341-9
ヒト大脳皮質の発達は、非常に複雑で多要素協奏的な過程であり、厳密な遺伝子調節の下にある。遺伝子の発現や機能を変えるようなまれな変異は、大脳皮質の構造を擾乱してさまざまな神経疾患を招く。滑脳症スペクトラム障害は、まれで遺伝子的に不均一な先天性脳形成異常で、多くはてんかんや知的障害を伴う。しかし、この疾患の病因の根底にある分子機構は分かっていない。今回我々は、mTOR経路の活性低下が、滑脳症スペクトラム障害に臨床上関連する分子機構であることを立証する。我々は、PIDD1(p53-induced death domain protein 1)の潜性(劣性)変異と、ミラー・ディーカー滑脳症候群(MDLS)を引き起こす染色体17p17.3のヘテロ接合性の微小欠損という、遺伝的に異なる滑脳症の患者に由来する2つのタイプの皮質オルガノイドについて解析した。その結果、PIDD1変異オルガノイドもMDLSオルガノイドも、ヒト滑脳症に典型的な皮質肥厚を再現し、タンパク質の翻訳、代謝、mTOR経路の調節異常を示した。脳選択的なmTOR複合体1活性化因子は、滑脳症オルガノイドにおいて細胞的・分子的な異常を防ぎ、これを回復させた。今回の知見は、2つの遺伝的に異なる滑脳症スペクトラム障害に、収斂的な分子機構が働いていることを示している。

