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がん:アスパラギン酸シグナル伝達は選択的翻訳を介して肺転移を促進する

Nature 638, 8049 doi: 10.1038/s41586-024-08335-7

肺転移は、転移性腫瘍患者の最大で54%に起こる。この高い頻度を引き起こす要因には、肺系統の物理的性質や、酸化能が低い環境(がん細胞の生存に有利となる可能性がある)が含まれる。さらに、原発性腫瘍が分泌した因子は肺の免疫細胞と細胞外マトリックスを変化させて、肺に到達したがん細胞のための前転移性環境を作り出す。栄養素もまた、前転移ニッチ形成中に準備される。しかし、腫瘍の転移する器官で利用可能な栄養素が、がん細胞にアグレッシブな形質を与えるのかどうか、また与えるのであればどのようにしてなのかは、ほとんど明らかになっていない。今回我々は、播種したがん細胞で、肺のアスパラギン酸が細胞シグナル伝達カスケードを始動させると、肺転移のアグレッシブ性を増強する翻訳プログラムが作動することを見いだした。具体的には、乳がんの患者とマウスでは、胚の肺間質液中に高濃度のアスパラギン酸が含まれることが観察された。細胞外にあるこのアスパラギン酸は、がん細胞でイオンチャネル型N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体を活性化し、これがデオキシヒプシンヒドロキシラーゼ(DOHH)のCREB依存的な発現を促進する。DOHHは、非古典的な転写開始因子eIF5Aの活性に必要な翻訳後修飾であるヒプシン化に不可欠である。続いて、TGFβシグナル伝達を中心ハブとした翻訳プログラムが、肺に播種した乳がん細胞でのコラーゲン合成を促進する。我々は、乳がん患者の肺転移巣で、この機構の主要なタンパク質を検出した。まとめると、古典的な生合成代謝物であるアスパラギン酸は、肺の環境中で細胞外シグナル伝達分子として機能し、転移のアグレッシブ性を助長することが明らかになった。

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