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分子生物学:ヌクレオソーム繊維のトポロジーが転写因子のエンハンサーへの結合を誘導する
Nature 638, 8049 doi: 10.1038/s41586-024-08333-9
細胞のアイデンティティーには、細胞タイプ特異的遺伝子のエンハンサーに多数の転写因子(TF)が結合して、協調しながら働くことが必要である。TFは接近可能なクロマチン中の特異的なDNAモチーフを認識するが、この情報だけでは、TFがエンハンサーを選択する仕組みを説明するには不十分である。今回我々は、TFについて、細胞に異なる状態を誘発する4通りの異なる組み合わせを比較して、TFのゲノム占有率、クロマチンアクセシビリティー、ヌクレオソームの配置、ゲノムの3D構造を、ヌクレオソームレベルの分解能で解析した。その結果、単一ヌクレオソーム上のモチーフ認識で解釈できるのは、TFの個々の結合だけであることが明らかになった。TFは、まとまって結合するときには協調的あるいは競合的に働いて、決まった3D構造を持ち、モチーフを特定のパターンで提示しているヌクレオソームを標的とする。1つの組み合わせでは、モチーフの方向性が、TFのコンビナトリアル結合をクロマチンループに沿って誘導して行き、その後側面から入り込んで隣接するエンハンサーに到達する。別の組み合わせでは、モチーフが密集して高度に相互接続したループ接合部にTFが集合し、その後に近接する系列特異的部位へと移動する。これらの知見から、ヌクレオソーム繊維上のモチーフ構成が指標として働き、TFのコンビナトリアル結合をエンハンサーへと誘導するという誘導探索モデルを、我々は提案する。

