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神経科学:睡眠の微細構造が記憶の再生を構造化する

Nature 637, 8048 doi: 10.1038/s41586-024-08340-w

最近獲得された記憶は、睡眠中に海馬で再活性化される。これが記憶固定化の最初の段階である。しかし、この過程は海馬での以前の記憶の再活性化と同時に起こるため、古い記憶痕跡と、初めは不安定な新しい記憶痕跡の間の干渉をどのように防ぐかという問題が提起される。理論研究では、複数の記憶の再活性化をランダムにインターリーブ(不連続配置)することで、干渉を最小にしつつ、それらを固定できることが示唆されている。他には、睡眠の時間的微細構造によって、特定のサブ状態での異なるタイプの記憶の再活性化を促進できるとする説もある。本研究で我々は、これら2つの仮説を検証するために、自然睡眠中のマウス海馬で大規模な神経アンサンブルの同時記録を行い、瞳孔計測によって睡眠動態を監視する手法を開発した。瞳孔の周期的変動から、ノンレム睡眠に関連した記憶過程に関する、これまで知られていなかった微細構造が明らかになった。また、最近の経験の記憶再生はノンレム睡眠の瞳孔が収縮したサブ状態における鋭波リップルで優位だが、以前の記憶の再生は瞳孔が開いたサブ状態で優先的に起こることが分かった。瞳孔が収縮したノンレム睡眠中に、鋭波リップルを選択的に閉ループ阻害すると、最近の記憶の想起が妨げられたが、瞳孔が開いたサブ状態に同じ操作を行っても行動への影響は見られなかった。瞳孔が収縮したサブ状態では、より強い外因的な興奮性入力が特徴であるのに対して、瞳孔が開いたサブ状態では局所的抑制の動員の強さが顕著だった。このように、ノンレム睡眠の微細構造は、以前の記憶と新しい記憶を異なるサブ状態に時間的に分離して記憶の再生を構造化しており、それぞれは局所的な機構と入力駆動型の機構によって支持されている。今回の結果は、脳が、干渉を起こさずに連続的な学習を促すために、睡眠中に異なる認知過程を多重化できることを示唆している。

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