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神経科学:海馬ニューロンの特徴選択性のシナプス基盤

Nature 637, 8048 doi: 10.1038/s41586-024-08325-9

神経科学の中心的な疑問の1つは、行動中の動物のニューロンの特徴選択性が、シナプス可塑性によってどのように形成されるかというものである。海馬CA1錐体ニューロンは、場所野と呼ばれる空間と文脈に対して選択的な受容野を形成することにより、最も顕著な特徴選択性を示し、場所野は学習と記憶のシナプス基盤を研究するためのモデルとして役立っている。さまざまな形式のシナプス可塑性が、場所野が生じる細胞基盤として提案されてきた。しかし、数十年の研究を経ても、シナプス可塑性がどのように場所野の形成と記憶の符号化の基礎となるかについては解明が進んでいない。その主な理由は、覚醒して行動中の動物において単一ニューロン分解能でシナプス可塑性を可視化することに関連したツールの不足と技術的難題である。今回我々は、この問題に取り組むために、空間ナビゲーション中の単一CA1錐体ニューロンにおいて、場所野が誘導される前と後とで、樹状突起棘の時空間的同調とシナプス荷重変化を観測するための全光学的アプローチを開発した。その結果、時間的に非対称なシナプス可塑性のカーネルが、場所野誘導前後のシナプス荷重の双方向的変化から生まれることが見いだされた。我々の研究で、基底樹状突起と斜行樹状突起の間に、シナプス可塑性の規模と時間的発現に区画特異的な差異があることが分かった。今回の結果から、エピソード記憶の重要な前提条件となる海馬ニューロンの空間選択性の迅速な出現とシナプス可塑性とをつなぐ実験的証拠が得られた。

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