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腫瘍免疫学:GDF-15の中和により固形腫瘍の抗PD-1および抗PD-L1抵抗性を克服できる

Nature 637, 8048 doi: 10.1038/s41586-024-08305-z

免疫チェックポイント分子を阻害する抗体を用いたがん免疫療法は、さまざまながん種で臨床的に盛んに行われており、がん治療を著しく改善した。しかし、奏効率は依然として低く、腫瘍の進行が起こることも多い。腫瘍微小環境内の可溶性因子や細胞結合型因子は、がん免疫に負の影響を及ぼす。最近、多くの種類のがんで多量に産生されているサイトカインであるGDF-15(growth differentiating factor 15)が抗腫瘍免疫応答を阻害することが示された。前臨床がんモデルでは、GDF-15の阻害が抗PD-1によるチェックポイント阻害の効果を相乗的に増強した。ヒト初回第1-2a相試験(GDFATHER-1/2a試験、NCT04725474)では、抗PD-1あるいは抗PD-L1療法に抵抗性を示す(一般的に抗PD-1/PD-L1抵抗性と呼ぶ)進行がん患者に対して、抗PD-1抗体ニボルマブと抗GDF-15中和抗体ビスグロマブ(CTL-002)による併用治療が実施されている。今回我々は、がんゲノムアトラスデータベースの腫瘍試料約1万件のin silicoスクリーニングによって、GDF-15により高頻度で免疫抑制されることが特定された2つのがん種である非扁平非小細胞肺がんと尿路上皮がんの患者の一部において、持続的かつ強力な応答が得られたことを示す。細胞傷害性T細胞の腫瘍浸潤、増殖、インターフェロンγ関連シグナル伝達、グランザイムB発現の各レベルの増加が、治療に応答して観察された。GDF-15の中和は、がんにおける免疫チェックポイント阻害に対する抵抗性を克服する上で有望である。

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