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分子生物学:原子間力顕微鏡とディープニューラルネットワークを使ってRNA配座異性体の構造を決定する

Nature 637, 8048 doi: 10.1038/s41586-024-07559-x

ヒトゲノムの大部分はRNAに転写され、その多くは自身の機能に重要な構造エレメントを含んでいる。そのようなRNA分子は、構造化されて正しく折りたたまれたものを含めて、コンホメーションが不均一で柔軟性がある。これは機能するための前提条件だが、構造解明のためにNMRや結晶構造解析、クライオ電子顕微鏡観察などの方法の適用する際には制約となっている。さらに、大規模なRNA構造データベースがなく、塩基配列と構造の間に明確な相関性もないため、タンパク質構造予測のためのAlphaFoldのような手法は、RNAに対しては適用できない。従って、不均一なRNAの構造決定は未解決の難問のままである。今回我々は、原子間力顕微鏡(AFM)、教師なし機械学習およびディープニューラルネットワークを用いた総合的なRNA構造決定法(HORNET)を報告する。HORNETは、溶液中の個々の分子の原子間力顕微鏡像を用いてRNAの三次元トポロジカル構造を決定する、新規な手法である。原子間力顕微鏡法は信号対雑音比が高いため、異なるコンホメーション状態にある大きなRNA分子の構造を捉える上で最適である。我々は、6つの基準となる例に加えて、RNアーゼP RNAとHIV-1 Rev応答エレメント(RRE)RNAの不均一な構造を複数決定することで、HORNETの有用性を実証した。以上のように、我々の手法は、柔軟性を持つ大きなRNA分子の不均一構造を決定する際の主要な問題の1つに取り組んでいて、RNAの構造生物学的性質の基本的解明に寄与するものだ。

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