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計算生物学:ヒトの広範な細胞タイプにわたる転写の基盤モデル

Nature 637, 8047 doi: 10.1038/s41586-024-08391-z

転写の調節は、調節配列とタンパク質の間の複雑な相互作用が関わって行われ、あらゆる生物学的過程を方向付けている。転写の計算モデルには一般化の可能性が欠如しており、未知の細胞タイプや条件について正確に外挿することができない。今回我々は、ヒトの胎児と成体の213の細胞タイプにわたって通用する、調節の「文法」を明らかにするために設計された、理解しやすい基本モデルGET(general expression transformer)を開発した。GETは、クロマチンアクセシビリティーのデータと塩基配列情報だけに基づいており、初見の細胞タイプの遺伝子発現を予測する場合であっても、実験レベルの精度を達成した。またGETは、新しい塩基配列プラットフォームやアッセイにおいても驚異的な適応力を示し、幅広い細胞タイプと条件にわたって調節に関する推測を可能にし、一般的な転写因子相互作用ネットワークと細胞タイプ特異的な転写因子相互作用ネットワークを明らかにした。我々は、調節活性の予測、調節エレメントと調節因子の推測、転写因子間の物理的相互作用の識別におけるGETの能力を評価し、レンチウイルスを使う超並列レポーターアッセイの読み出しの予測では、現在の複数のモデルよりも優れていることを見いだした。胎児の赤芽球では、これまでのモデルでは見逃されていた遠位(1 Mbp以上)の調節領域が明らかになり、B細胞では、リンパ球特異的な転写因子間相互作用が突き止められた。この相互作用によって、生殖系列変異を起こしやすくする白血病リスクの機能的重要性が説明される。まとめると、一般化可能で正確な転写のモデルに加えて、遺伝子調節と転写因子間相互作用の一覧を、全て細胞タイプ特異性も含めて提供することができた。

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