Article
化学:チアゾール、イソチアゾール、その他のアゾール類の光化学的パーミューテーション
Nature 637, 8047 doi: 10.1038/s41586-024-08342-8
チアゾールやイソチアゾールは、創薬や農薬開発における特権的モチーフ(privileged motif)である。こうした誘導体合成の検討、設計、開発は、一般的にケース・バイ・ケースで行われる。時には、所与のターゲットを合成するロバストな方法がないせいで、大きな困難がもたらされたり、さらなる研究に向けた特定の誘導体の合成が阻まれたりする場合もある。今回我々は、光化学的照射を用いてチアゾールやイソチアゾールの構造を選択的かつ予測可能な方法で変化させることのできる、概念的に異なるアプローチを報告する。こうした誘導体は、光励起するとπ,π*一重項励起状態になり、これが一連の構造転位を経て、この環状系とその置換基の全体的なパーミューテーション(再配列)につながる。これは、ひとたび最初のヘテロ芳香族骨格が作られると、それが選択的な構造パーミューテーションによって他の分子にアクセスするためのエントリーポイントとして機能し得ることを意味する。このアプローチは、多くの化学的に異なる官能基に対して寛容な、温和な光化学的条件下で機能する。また、予備的知見によって、この方法をベンゾ[d]イソチアゾール、インダゾール、ピラゾール、イソオキサゾールを含む他のアゾール系に拡張できる可能性も示された。この戦略は、光化学的パーミューテーションを、入手しやすい構造異性体から複雑で入手しにくい誘導体を合成する強力かつ便利な方法として確立するものである。

