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細胞生物学:TRiCのデューティーサイクルとPDCD5は開いた状態の補助因子であることがin situ解析により明らかになった

Nature 637, 8047 doi: 10.1038/s41586-024-08321-z

環状のシャペロニンであるTRiC(T-complex protein ring complex、別名CCT〔chaperonin containing TCP-1〕)は、ATPによって駆動されるタンパク質折りたたみ機械で、細胞の恒常性維持に不可欠であり、その機能不全はがんや神経変性疾患と関連がある。その重要性にもかかわらず、TRiCが細胞内で働く仕組みはまだ明らかにされていない。今回我々は、クライオ電子線トモグラフィーを用いて、ヒト細胞内でのシャペロニンTRiCの構造、コンホメーションの動的変化と空間構成を解析した。そしてTRiCの特徴的な開状態、閉状態、基質結合状態、それにプレフォルディンと結合した状態を解明し、そのin situでのデューティーサイクルを再構築した。基質と結合した開状態と、対称的な閉状態のTRiCの数は同程度で、どちらも豊富に存在する。基質を含む閉状態のTRiCは特徴的なクラスターを形成し、これは空間的組織化を示唆している。翻訳を阻害しても、デューティーサイクル中間体の分布は基本的には変化しなかったが、全ての状態での基質の結合が減少し、同様にクラスター形成も減少した。これらの細胞内構造から、プログラム細胞死タンパク質5(PDCD5)がインタラクター(interactor)であり、ほぼ全て開状態のTRiCに特異的に結合するが、閉状態のTRiCには結合しないことが明らかになった。その結合位置は、基質とプレフォルディンの両方に適合する。これらの知見は、cTRiCが細胞内で、ほぼ常に基質と結合した状態で新たに合成されたタンパク質の折りたたみを行っているというモデルを裏付けている。細胞内でのTRiCの反応サイクルと機能が解明されたことで、がんや神経変性疾患の際のTRiCの機能不全を解明するための基盤が築かれた。

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