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免疫学:動的な遺伝子回路の中央制御がT細胞の静止と活性化を支配する

Nature 637, 8047 doi: 10.1038/s41586-024-08314-y

細胞が明確なアイデンティティーを維持したり、一過性の環境シグナルに応答したりする能力には、遺伝子ネットワークの厳密に制御された調節が必要である。初代ヒト細胞で細胞外の合図に応答する、これらの動的な調節回路はほとんど解明されていない。T細胞では特に、状況依存的な調節が必要とされ、さまざまな細胞系譜が多様なシグナルに応じて効果的な免疫応答を開始し、恒常性を維持しなければならない。今回我々は、初代ヒトCD4+ T細胞の多数の状況においてCRISPRスクリーニングを行い、T細胞活性化のカノニカルなマーカーであるIL-2Rαの発現を制御する調節因子を特定した。IL-2Rαは、炎症促進性エフェクターT細胞が一過性に、抗炎症性の制御性T細胞が構成的に発現しており、その適応度に必要なものである。IL-2Rαの特定された調節因子の約90%は、細胞タイプおよび/あるいは刺激状態によって異なる効果を持ち、条件によって逆の効果を持つサブセットさえあった。我々は、状況特異的なスクリーニングのヒットをプールして摂動した後に、単一細胞トランスクリプトミクスを用いて特性解析を行い、特定の因子が全体的な静止あるいは活性化の調節因子であることを明らかにし、状態特異的な調節ネットワークを構築した。Mediator複合体の構成要素であるMED12は、主要な調節因子群を動的に指揮する因子として機能し、これによってT細胞のさまざまな状況において調節因子の異なるセットの発現を制御していることが分かった。免疫沈降–質量分析から、MED12はヒストンをメチル化するCOMPASS複合体と相互作用することが明らかになった。MED12は、ヒストンのメチル化と、主要な状況特異的調節因子(静止状態を維持する因子KLF2や多機能性の調節因子MYCなど)をコードする遺伝子の発現に必要であった。CRISPRによってMED12を除去すると、静止と活性化の間の細胞状態移行が鈍化し、活性化誘導性細胞死から保護された。まとめるとこの研究は、さまざまな条件で行ったCRISPRスクリーニングを活用して、T細胞の静止状態と活性化状態を確立するのに必要である動的な遺伝子回路を明らかにしている。

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