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がん:大腸がん転移時に見られる進行性の可塑性
Nature 637, 8047 doi: 10.1038/s41586-024-08150-0
がんは進行に伴い、アグレッシブさを増していく。転移性腫瘍は原発性腫瘍よりも第一選択療法に対する応答性が低く、その後の治療法に対する抵抗性を獲得し、最終的に患者を死に至らしめる。同一患者に由来する原発性腫瘍と転移性腫瘍の間で変異はおおむね保存されていることから、非遺伝的な表現型の可塑性が、がんの進行や治療抵抗性に重要な役割を担っていることが示唆される。しかし、転移細胞の状態やそれらが遷移する機構についてはよく分かっていない。今回我々は、同一患者に由来する正常な大腸組織、原発性大腸がん、転移性大腸がんを3つ組にした生体試料コホートで、原発性腫瘍は主にLGR5+腸幹細胞様の状態にあるが、転移性腫瘍では進行性の可塑性が見られることを示す。がん細胞は腸細胞のアイデンティティーを失い、高度に保存された胎児性前駆細胞状態へと再プログラム化された後、非カノニカルな分化を経て、扁平上皮細胞状態と神経内分泌細胞様状態に分岐する。この過程は転移や化学療法によって増悪し、患者の生存率の低さと関連している。我々は、マッチする患者由来オルガノイドを用いて、転移細胞は、対応する腸系譜に限定された原発性腫瘍の細胞よりも、微小環境の合図への応答においてより高い細胞自律的な多系統分化能を示すことを実証する。また我々は、PROX1が胎児性前駆細胞状態における非腸系統の抑制因子であることを明らかにし、PROX1の下方調節が非カノニカルな再プログラム化を可能にすることを示す。

