Article
超伝導:ツイスト2層WSe2における超伝導
Nature 637, 8047 doi: 10.1038/s41586-024-08116-2
モアレ材料によって、平坦な電子バンドと、平坦バンドに付随する強相関によって駆動される量子相の実現が可能になった。これまで、超伝導はグラフェンモアレ材料においてのみ観測されている。グラフェン以外のモアレ材料、例えば半導体モアレ材料でロバストな超伝導が観測されないことは依然として謎であり、平坦バンドにおける超伝導の現状の理解に疑問を投げ掛けている。今回我々は、六方晶モアレ格子を持つ、3.5°と3.65°のツイスト2層二セレン化タングステン(WSe2)両方において、ロバストな超伝導を観測したことを報告する。超伝導は、ハーフフィリングとゼロ外部変位場付近で現れた。最適な超伝導転移温度は、いずれの場合も約200 mKであり、有効フェルミ温度の約1~2%である。これは、高温銅酸化物超伝導体における値と同程度であり、強い対形成を示唆している。この超伝導体は、ハーフフィリングの下と上とで、2つの異なる金属の境界をなしており、外部変位場を調整することによって、相関絶縁体に連続的に遷移する。クーロン誘起電荷局在化の直前に超伝導が観測されたことは、強い電子相関による機構の存在を示唆している。

