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ナノスケール材料:単一のジグザグ端上に局在状態を持つヤヌス型グラフェンナノリボン
Nature 637, 8046 doi: 10.1038/s41586-024-08296-x
ジグザグ端グラフェンナノリボン(ZGNR)に内在するπ電子のトポロジカルな設計は、さまざまな磁気量子現象やエキゾチックな量子相の実現につながる。対称型ZGNRは典型的には、端間で反強磁性的に結合したスピン秩序端状態を示す。ZGNRにおける端間の磁気結合を防ぐことによって、強磁性量子スピン鎖のモデルを実現することができ、極限一次元系での量子スピン物理学と多キュービットもつれの探求が可能になるだけでなく、長い間望まれてきた炭素系の強磁性輸送チャネルが確立され、これは、GNR系の量子エレクトロニクスの究極的な微細化に極めて重要なカギとなる。今回我々は、著しく異なる2種類の端構造を持つヤヌス型GNR(JGNR)を提案し、強磁性GNRを設計・作製する一般的な手法を報告する。我々は、Lieb定理とトポロジカル分類理論を指針に、一方のジグザグ端にベンゼンをモチーフとしたトポロジカルな欠陥配列を導入する一方、反対側のジグザグ端をそのままに保つことによって、2種類の非対称型JGNRを考案した。これにより、構造的対称性が破れ、各単位胞内で副格子の不均衡が生じ、スピン対称性の破れにつながる。Z形状の3つの前駆体の設計によって、比較対象としての対称型ZGNRと、欠陥配列の格子間隔を最適化して「欠陥端」部位で端磁性を完全に消失させた2種類のJGNRとが作製された。走査型プローブ顕微鏡法と分光法、そして第一原理密度汎関数理論による評価から、欠陥のないジグザグ端に沿って局在する強磁性基底状態を持つJGNRの作製に成功したことが実証された。

