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神経科学:マクロファージはグルタミン酸によって筋紡錘を興奮させ、運動を増強する

Nature 637, 8046 doi: 10.1038/s41586-024-08272-5

伸張反射は、運動の基盤となる協調的な筋収縮を統制している運動系の基本要素である。この過程の中心にあるのが、錘内筋繊維の内部の張力の変動に細かく対応する特殊な受容器、筋紡錘(MS)である。MSにおける張力の変化は、一連のニューロン事象(例えば、感覚性のIa求心性線維の初期脱分極と、その後の脊髄内での運動ニューロンの活性化)を引き起こす。このニューロンのカスケードは、最終的に筋収縮を引き起こし、これは、筋骨格系と神経系との間で閉ループ機構が存在する可能性を示唆している。これに対して、今回我々は、MS内独自の分子シグネチャーと機能シグネチャーを有し、グルタミン酸の合成および放出に関わる装置を持つ新たなマクロファージ集団を発見したことを報告する。我々は、マウス交差遺伝学に光遺伝学と電気生理学を組み合わせて用いて、MSのマクロファージ(MSMP)の活性化がミリ秒の時間スケールで固有感覚ニューロンの発火を駆動することを示す。MSMPは、MSを興奮させるグルタミン酸依存的な機構を使って、脊髄回路や運動ニューロン、筋肉を活性化する。さらにMSMPは、神経や筋肉の活性化に応答してグルタミナーゼの発現を増加させ、これによって筋収縮時に筋細胞が放出したグルタミンを取り込んで、グルタミン酸に変換できるようになる。後肢の筋肉でMSMPを選択的に抑制あるいは枯渇させると、力発生や感覚フィードバック補正に対する伸張反射の調節が乱れ、マウスのロコモーション戦略が障害された。我々の結果によって、神経活動や筋収縮を直接調節する新たな細胞構成要素MSMPが見つかった。MSMPのグルタミン酸を介したシグナル伝達や感覚的合図に対するそれらの動的な応答は、感覚や運動行動についての理解に新たな次元をもたらす。これによって、感覚運動機能に影響を及ぼす疾患において革新的な治療手段がもたらされる可能性がある。

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