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がん代謝:FBP1は老化したMASH肝細胞からの肝臓がんの進化を制御する
Nature 637, 8045 doi: 10.1038/s41586-024-08317-9
肝細胞がん(HCC)は、ウイルスや代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)によって損傷を受けた肝臓で、代償性増殖中の分化した肝細胞から生じる。MASHはHCCのリスクを上昇させる一方、p53に依存する肝細胞老化を引き起こし、我々は以前、これが栄養過剰が引き起こすDNA切断に類似していることを見いだしている。この腫瘍抑制性の応答が回避されて発がん性変異誘発が起こるようになり、HCCの進化が可能になる仕組みは、これまで分かっていなかった。今回我々は、糖新生酵素のフルクトース-1,6-ビスホスファターゼ1(FBP1)がp53の標的であり、老化細胞に似たMASH肝細胞では増加しているが、ほとんどのヒトHCCではプロモーターの過剰メチル化とプロテアソームによる分解によって抑制されていることを突き止めた。代謝ストレスのかかった前がん病変関連肝細胞とHCC前駆細胞では、FBP1が最初に減少し、これと並行してAKT、NRF2が腫瘍形成促進的に活性化される。AKTとNRF2は、それまでに老化したHCC前駆細胞の増殖と代謝活性を、FBP1とp53の分解を加速することにより亢進させる。老化を逆転させ、増殖を支えるNRF2–FBP1–AKT–p53代謝スイッチはマウスとヒトで働いて、MASHからHCCへの進行に必要なDNA損傷を誘発する体細胞変異の蓄積も促進するのである。

