火山学:イエローストーン・カルデラにおける玄武岩–流紋岩メルト貯蔵庫の進展
Nature 637, 8044 doi: 10.1038/s41586-024-08286-z
イエローストーン・カルデラは地球上で最大の火山システムの1つで、過去200万年間にカルデラを形成する大噴火が3回起こり、爆発性が低い小規模な噴火が起きた時期が散在していた。イエローストーンのカルデラ形成噴火は、中部から上部の地殻内に貯蔵された流紋岩メルトにより供給されている。地震波トモグラフィーの研究によって、イエローストーン・カルデラの下には流紋岩メルトが広がった広範な領域が存在し、推定メルト量は過去の最大のカルデラ形成噴火の噴出量の1~4倍、推定メルト分率は6~28%であることが示唆されている。地震波速度は、温度、圧力、メルトの影響を強く受けるが、地磁気地電流法のデータは主にメルトの存在に敏感なので、こうしたデータは火山システムに制約を与えるために理想的となっている。今回我々は、地磁気地電流法データを利用して、イエローストーン・カルデラの地殻内マグマだまりの比抵抗構造をモデル化し、この地域に大噴火をもたらす可能性について制約を与えた。我々は、流紋岩メルトはカルデラ下の隔離された領域にメルト分率が低い状態で保持されていることを見いだし、マグマだまりは噴火可能な状態ではないことを示す。典型的には、この地域はイエローストーン・カルデラ形成後の小噴火に匹敵するメルト体積を保持している。イエローストーン・カルデラ北東部に集中した最大の流紋岩メルト貯蔵庫は、イエローストーンの最小のカルデラ形成噴火で噴出した体積と同程度の体積を保持している。我々は、地殻下部から移動して流紋岩メルト貯蔵庫の北東域に合流し熱を供給している玄武岩領域を特定した。我々は、今回の解析に基づいて、将来の流紋岩火山活動の場所がイエローストーン・カルデラ北東地域に移動したと提案する。

