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免疫学:内在性自己ペプチドは中枢神経系の免疫特権を守る
Nature 637, 8044 doi: 10.1038/s41586-024-08279-y
中枢神経系(CNS)を保護することを目的とする戦略的に配置された解剖学的障壁が存在しているものの、CNSは免疫系から完全に隔離されているわけではない。実際、CNSは末梢免疫系と物理的に接続しており、その影響を受ける可能性がある。CNSが免疫学的に独特な状態を維持しながら、このような反応性を持ち続ける仕組みは未解決の問題である。今回我々は、CNSに由来し、免疫系とCNSの直接的なコミュニケーションを可能にする分子的合図の探索を行い、CNS中およびその境界にある主要組織適合遺伝子複合体クラスII(MHC-II)分子上に提示される、CNS由来の制御性自己ペプチドの内在性レパートリーを特定した。恒常性の維持に際して、これらの制御性自己ペプチドは、脳からその周囲の髄膜、排出先の頸部リンパ節までのリンパ系排出経路全体でMHC-II分子と結合していることが分かった。しかし神経炎症性疾患では、制御性自己ペプチドの提示が減少していた。これらの制御性自己ペプチドの提示を増強すると、サプレッサーCD4+ T細胞集団が増加し、これによってCTLA-4およびTGFβ依存的様式でCNSの自己免疫が制御された。CNS由来の制御性自己ペプチドは、明らかな自己反応性のバランスを保ちながら、CNSと免疫系の間で継続的な対話を確実にするための分子的なカギと考えられる。以上の知見は、神経炎症性疾患や神経変性疾患を、概念としてどのように捉え、治療標的とするかについての手掛かりを示している。

