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がん:食餌由来のフルクトースは臓器間の脂質輸送を介して間接的に腫瘍の増殖を促進する

Nature 636, 8043 doi: 10.1038/s41586-024-08258-3

フルクトースの消費量は、フルクトース含量の多いコーンシロップが甘味料として広く利用されていることが主な原因となって、この50年間でかなり増加している。フルクトースは、エネルギー源となることによって、一部の腫瘍の増殖を直接的に促進すると考えられている。今回我々は、黒色腫、乳がんおよび子宮頸がんの動物モデルで、フルクトースの食餌への追加が腫瘍の増殖を促進するが、体重増加やインスリン抵抗性は引き起こさないことを明らかにした。がん細胞自体は、ケトヘキソキナーゼC(KHK-C)を発現していないため、フルクトースを栄養素として直ちに利用することはできなかった。初代肝細胞はKHK-Cを発現するので、フルクトース代謝に加えてリゾホスファチジルコリン(LPC)を含むさまざまな種類の脂質の排出が起こった。共培養実験を行ったところ、肝細胞由来のLPCはがん細胞によって消費され、細胞膜の主要なリン脂質であるホスファチジルコリンの生成に使われた。in vivoでは、フルクトース含量が高いコーンシロップの食餌への追加によって数種類のLPCの血清中濃度が7倍以上に増加した。マウスにLPCを投与すると、それだけで腫瘍の増殖が促進された。ケトヘキソキナーゼの薬理学的阻害は、がん細胞への直接の影響はなかったが、in vivoでは循環中LPC濃度を低下させ、フルクトースを介した腫瘍の増殖が妨げられた。これらの知見から、フルクトースの食餌への追加によってLPCなどの栄養素の血中濃度が上昇し、それが細胞の非自律的機構を介して腫瘍の増殖を促進する可能性が明らかになった。

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