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神経科学:行動構造のマッピングの細胞基盤

Nature 636, 8043 doi: 10.1038/s41586-024-08145-x

ヒトの脳は、新しい状況に柔軟に適応するために、外界の規則性だけでなく、自身の行動パターンの規則性についても理解しなければならない。近年の豊富な知見により、外部空間をマッピングするのに使うアルゴリズムが明らかにされつつある。しかし、ヒトが目標に到達するために作る複雑な構造化された行動をマッピングする生物学的アルゴリズムについては、未知のままである。今回我々は、抽象的な行動構造をマッピングし、それを新規のシナリオに移すアルゴリズムをニューロンが実行する様子を明らかにする。我々は、マウスに、一連の目標を組織化するという共通の構造を持つが具体的な目標の位置は異なる行動課題を多数学習させた。するとマウスは、基礎となる課題構造を見つけ出し、新しい課題でもゼロショット推理が可能になった。このとき内側前頭皮質の大部分のニューロンの活動は、場所細胞が物理的空間をマッピングするのと似た方式で、目標への進行をタイルのように敷き詰めていた。この「目標進行細胞(goal-progress cell)」群は、各目標への距離の違いに合わせてタイルを伸長・短縮させる形で、一般化を行っていた。それとは対照的に、目標の全体的順序に沿った進行は、明らかな形で符号化されてはいなかった。その代わり、目標進行細胞群の一部がさらに調整されて、特定の行動ステップから一定の課題遅れを持って個々のニューロンが発火するようになっていた。以上をまとめると、これらの細胞は課題構造の記憶バッファーとして機能し、今後の行動ステップの全ての順序を瞬時に符号化するアルゴリズムを実行し、その動態によって各ステップでの適切な行動を自動的に計算した。これらの動態は、課題実行中でもオフライン(睡眠中)でも、抽象的な課題の構造を反映していた。今回の知見は、複雑な行動構造の概要が、目標への進行の調整を個々の行動ステップの課題構造化バッファーに組み込むことで生成できることを示唆している。

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