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気候変動生態学:現代の浮遊性有孔虫類の生存には、変わりゆく海洋で生息域を移動するだけでは不十分である

Nature 636, 8042 doi: 10.1038/s41586-024-08191-5

二酸化炭素排出量の増加は海洋の温暖化と酸性化を引き起こし、プランクトンの生息域を変化させるとともに、浮遊性有孔虫類(PF)などの石灰化生物に脅威を与えている。PFが生息域を水平方向や鉛直方向に変化させることにより、こうした前例のない速さの環境変化に対応可能かどうかは不明である。今回我々は、約100年にわたる全海洋の調査結果を集約したFORCISデータベースを用いた解析により、PFが明白な極方向への移動を示していることを明らかにした。PFの多様性は中緯度から高緯度で高まっており、また一部の種は水柱の下方へ移動していることも分かった。有孔虫類全体の個体数は、過去80年間で24.2 ± 0.1%減少していた。本研究は、さまざまな有孔虫種の水平移動のみならず、複雑な鉛直移動パターンも明らかにし、その適応戦略に関する細かな理解をもたらしている。2050年および2100年に予測される水温および炭酸塩飽和度の条件下において、低緯度の有孔虫種は、現在の生態学的許容範囲を超える物理化学的環境に直面することになる。こうした低緯度種は極方向へ移動し、より高緯度の種に取って代わると考えられ、その結果、低緯度の有孔虫の多様性は低下する可能性がある。人新世における有孔虫類の環境適応に関する我々の知見は、生息域を移動するだけでは生存が保証されないことを示唆している。これは、気候変動や海洋酸性化、その他のストレッサーの相互作用が海洋における大規模な生物群の存続の可能性にどのような影響を与えていくかを、速やかに解明する必要があることを強調している。

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