Review

エネルギー科学:低品位ブラインからのリチウム抽出

Nature 636, 8042 doi: 10.1038/s41586-024-08117-1

環境面での持続可能性を求めて、電気自動車や再生可能エネルギー技術の需要が高まり、効率的なリチウム抽出方法の必要性が大幅に増大している。地理的に集中した硬岩鉱石や塩原ブラインに依存する従来のリチウム生産は、相当なエネルギー消費、温室効果ガス放出、地下水枯渇、土地擾乱を伴うため、環境やサプライチェーンでの顕著な課題が生じている。一方、堆積物間隙水、地熱流体、油田産出水、海水、一部の塩原ブライン、塩水湖などに見られる低品位ブラインは、膨大な貯留量と広範な地理的分布ゆえ、大きな可能性を秘めている。しかし、こうした供給源からのリチウム抽出は、リチウム濃度が低くリチウムに対するマグネシウムの比が高いため、技術的に困難である。本総説で我々は、要求は厳しいが有望なこうした供給源からのリチウム抽出における最新の進歩と継続的課題について検討し、沈降、溶媒抽出、収着、膜を用いた分離、電気化学的分離を含むさまざまな方法を取り上げる。さらに我々は、分離過程の基本原理の枠内で、リチウム抽出技術の今後の開発に関する展望を述べる。目標は、低品位ブラインの大きな可能性を利用できる革新的な抽出方法の開発を促すことである。

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