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量子シミュレーション:二次元におけるヒルベルト空間の断片化とフラクトニック励起の観測

Nature 636, 8041 doi: 10.1038/s41586-024-08188-0

平衡から離された孤立量子系の緩和挙動は、多体物理学における最も興味深い疑問の1つである。一般的に、平衡から離れた量子系は、局所情報を非局所化しエンタングルメントエントロピーを増大させることによって熱平衡状態に緩和する。しかし、根底にあるヒルベルト空間が、熱化が強く抑制され得る動的に切り離されたサブセクターに断片化されるため、ハミルトニアンにおける運動学的拘束は、この基本的なパラダイムの崩壊つながる可能性がある。今回我々は、二次元傾斜ボース・ハバード模型において、ヒルベルト空間の断片化を実験的に観測した。我々は、量子気体顕微鏡を用いて、さまざまな初期状態を操作し、バルク状態、界面、欠陥、つまり二次元、一次元、ゼロ次元の対象が関与するヒルベルト空間断片化の発現の豊かな集合を見いだした。具体的には、粒子数とエネルギーが等しい一様な初期状態が、緩和ダイナミクスの点では著しく異なっていることが分かった。大域的な非熱化チェッカーボード状態の上に、制御された欠陥を挿入すると、高度に異方的でサブ次元的なダイナミクスが観測された。これは、フラクトン的な性質の直接的な特徴である。局所化状態と熱化状態の間の界面は、その向きに依存するダイナミクスを示した。今回の結果は、一次元を超えたヒルベルト空間断片化の観測のみならず、それに伴うフラクトンの直接観測を示すものであり、拘束系における微視的輸送現象の詳細な研究への道を開く。

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