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がんゲノミクス:大腸の前がん状態の進化におけるポリクローナルからモノクローナルへの移行

Nature 636, 8041 doi: 10.1038/s41586-024-08133-1

悪性転換を効果的に防ぐには、前がん病変の起源や進化の解明が不可欠だが、現在分かっていることはまだ限られている。今回我々は、塩基エディターによって可能になるDNAバーコーディング系を用い、炎症もしくはApc遺伝子欠失によって誘発される腸腫瘍形成のマウスモデルで、単一細胞レベルの精度の包括的な系統発生マップを作製した。そして、腸の正常組織、炎症組織、腫瘍性組織由来の計26万922個の細胞を含む系統発生を高分解能で定量的に解析することにより、各病変内で並行してクローンを拡大している数十の独立した細胞系統を明らかにした。また、バルクの全エキソーム塩基配列解読と単一の腺の全ゲノム塩基配列解読を介して、ヒトの孤発性大腸ポリープのポリクローナルな起源を明らかにした。ゲノムデータと臨床データから、ポリクローナルからモノクローナルへの移行モデルが裏付けられた。モノクローナルな病変の方がより進んだ段階である。単一細胞RNA塩基配列解読により、初期のポリクローナルな病変で広範な細胞間相互作用の存在が判明したが、モノクローナルへの移行の間に相互作用が著しく減少することが分かった。従って、これらのデータは、大腸の前がん状態は多くの異なった細胞系譜が基盤となっているのが多いことを示唆しており、がん形成の最初期段階では細胞系譜間に協調的な関係があることをはっきり示している。これらの知見から、大腸がんでのより早い介入機会についての手掛かりが得られた。

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