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材料科学:フェロイックIn2Se3における電気的に駆動される長距離固体アモルファス化

Nature 635, 8040 doi: 10.1038/s41586-024-08156-8

電気的に誘起されるアモルファス(非晶質)化は一般的ではなく、これまでのところ、数例の材料系においてパルス電流によって実現されているだけであり、それらはおおむね溶融–急冷過程に基づいたものである。しかし、溶融段階を回避して固体アモルファス化を電気的に実現できるとすれば、低消費電力デバイス用途への可能性が開かれる。今回我々は、パルス的な電気刺激ではなく直流バイアスの印加による、セレン化インジウム(In2Se3)のナノワイヤーの新たなフェロイックβ″相におけるエネルギー効率の高い非従来型の長距離固体アモルファス化を報告する。分極に垂直な印加電場、ファンデルワールス層に平行な電流、そして圧電応力の複雑な相互作用の結果として、この層状材料において、層間すべり欠陥の形成と、面内分極回転によって引き起こされる乱れの結合が生じる。この構造は、電気的に誘起された乱れの臨界限界に達すると、フラストレートして局所的に崩壊し、アモルファス相になるが、この現象は、音響ジャークを通じて、はるかに大きな微視的長さスケールにわたって再現される。今回の成果は、外部から印加される電場、電流、内部で発生する応力に対する、材料中の強的秩序のこれまで知られていなかった多モード結合機構を明らかにしており、低消費電力のエレクトロニクスやフォトニクスの用途に向けた新たな材料やデバイスの設計に役立ち得る。

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