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量子コンピューティング:量子プロセッサー向けの高精度誤り復号化の学習

Nature 635, 8040 doi: 10.1038/s41586-024-08148-8

大規模な量子コンピューターの構築には、物理的な量子系で不可避的に発生する誤りを訂正する効果的な戦略が必要である。量子誤り訂正符号は、論理情報を多数の物理キュービットに冗長的に符号化することによってこの目標を達成する方法をもたらす。そうした符号の実装における重要な課題は、冗長検査から抽出された雑音の多いシンドローム情報を正確に復号化して、正しい符号化論理情報を得ることである。今回我々は、代表的な量子誤り訂正符号である表面符号の復号化を学習する、トランスフォーマーを用いた回帰型ニューラルネットワークを開発した。我々の復号器は、距離3と距離5の表面符号について、Google社のシカモア(Sycamore)量子プロセッサーの実世界データ上で他の最先端の復号器を上回る性能を示した。この復号器は、最高11までの距離で、クロストークやリークを含む現実的な雑音を伴うシミュレートされたデータ上でその利点を維持しており、ソフト読み出しとリーク情報を利用している。今回の復号器はまた、近似的な合成データでの訓練の後、限られた手持ちの実験サンプル上で訓練することによって、より複雑だが未知の、根底にある誤り分布に適応した。我々の研究は、データから直接学習することで、人間により設計されたアルゴリズムを超えるという機械学習の能力を例示しており、機械学習が量子コンピューターにおける復号化の有力な候補であることを浮き彫りにしている。

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