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微生物学:単一のファージタンパク質がTIRとcGAS様酵素からのシグナルを隔離する

Nature 635, 8039 doi: 10.1038/s41586-024-08122-4

原核生物の抗ファージ免疫系は、TIRを用いて1′′-3′-グリコサイクリックADPリボース(1′′-3′-gcADPR)を、cGAS様酵素を用いてサイクリックジヌクレオチド(CDN)とサイクリックトリヌクレオチド(CTN)というシグナル伝達分子を産生し、それらがファージの複製を制限する。しかし、ファージがこれらの独特な系や一般的な系をどのようにして無効化するのかは、ほとんど分かっていない。今回我々は、Thoeris抗防御タンパク質Tad1とTad2が、CBASS(cyclic-oligonucleotide-based anti-phage signalling system)の複数のサイクリックオリゴヌクレオチドを同時に隔離することによって、抗CBASS活性を発揮することを明らかにする。Tad1は、Thoerisシグナルである1′′-3′-gcADPRと1′′-2′-gcADPRに結合する以外にも、多くのCBASSのCDNとCTNにも高い親和性で結合し、これによって、これらの分子を用いるCBASS系をin vivoとin vitroで阻害する。六量体であるTad1にはCDNあるいはgcADPRに対する結合部位が6カ所あり、これらはCTNに対する2カ所の高親和性結合部位とは独立している。Tad2は四量体を形成し、この四量体も異なる結合部位を用いて同時にこれらのシグナル分子に結合し、gcADPR分子に加えてさまざまなCDNを隔離する。このようにTad1とTad2はどちらも二面的な阻害因子であり、抗CBASSタンパク質2(Acb2)と共に、異なる結合部位を用いてかなり広範なサイクリックヌクレオチドを柔軟に隔離するファージタンパク質の新たなパラダイムを確立している。

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